矯正とホワイトニングの同時施術〜メリットと最適なタイミング
矯正治療とホワイトニングを同時に行うことは可能?

歯並びを整える矯正治療と歯を白くするホワイトニング。両方を並行して受けたいと考える方は少なくありません。限られた時間のなかで効率よく通院したいと感じるのは自然なことです。
結論から言うと、矯正治療中にホワイトニングを行うことは可能です。ただし、すべての矯正方法で同時に行えるわけではありません。矯正の種類によってホワイトニングとの組み合わせや適応は異なります。
矯正方法とホワイトニングの組み合わせ
矯正方法ごとにホワイトニングの適応を解説します。自分に合った治療計画を考える参考になります。
マウスピース型矯正装置(インビサライン等)とホワイトニング
マウスピース型矯正は取り外しが可能なためホワイトニングと組み合わせやすいと考えられます。しかし、歯面に付与されるアタッチメント部分には薬剤が均一に浸透しないため、色ムラが生じる可能性があります。
また、ホワイトニングのために装置を外す時間が長くなると、推奨される装着時間(1日20時間以上)に影響する場合があります。
表側矯正(マルチブラケット装置)とホワイトニング
歯の表側にブラケットとワイヤーを装着するため、薬剤を均一に塗布できません。その結果、治療後に色の差が出やすいため、矯正治療が完了した段階でホワイトニングを行うのが一般的です。
舌側矯正(リンガルブラケット矯正)とホワイトニング
歯の裏側に装置を付ける舌側矯正では、前面に装置がないためホワイトニングを並行して行うことが可能です。ただし、上下で装置の種類が異なる場合には制限があります。
矯正とホワイトニングを同時に行うメリット

- ・時間の効率化:通院の回数を減らせる。
- ・心理的効果:短期間で歯の白さを実感でき、治療を続けるモチベーションにつながる。
- ・審美性:矯正中でも歯の色が整うことで見た目の満足度が高まる。
注意すべきリスク・副作用
- ・色ムラ:矯正装置やアタッチメント部分で薬剤が均一に作用しない場合があります。
- ・知覚過敏や痛み:矯正治療中の歯は敏感になりやすく、ホワイトニング薬剤の刺激で痛みを感じることがあります。
- ・費用:矯正とホワイトニングを同時に行うと一時的な費用負担が増えます。
※矯正歯科治療は公的健康保険の適用外の自由診療(自費診療)となります。治療期間は一般的に2~3年間、通院回数は24~36回程度が目安です。
ホワイトニングを行う最適なタイミング
- ・矯正完了後:最も均一な仕上がりが得られる。
- ・矯正中の場合:舌側矯正では歯並びが整ってきた時期、マウスピース矯正ではアタッチメントが少ない段階が適しています。
- ・保定期間中:矯正終了後の保定装置を装着している間は、ホワイトニングとの併用がしやすいです。
成功のためのアドバイス
- ・歯科医師との相談:治療方法やライフスタイルに応じて適切な計画を立てることが重要です。
- ・日常のケア:矯正中は歯磨きやフロスなどで口腔内を清潔に保ちましょう。
- ・定期メンテナンス:矯正調整やホワイトニングのタッチアップを定期的に行うことで、効果を維持できます。
まとめ
矯正治療とホワイトニングを同時に行うことは可能ですが、矯正方法や治療段階によって適切な組み合わせが異なります。色ムラや知覚過敏などのリスクを理解し、専門医と相談しながら最適な時期に実施することが大切です。
健康的で美しい歯並びと白い歯を目指す方は、まずは当院にご相談ください。矯正治療とホワイトニングを組み合わせた治療計画について丁寧にご説明いたします。
著者情報
院長 農端 健輔

経歴
2007年大阪歯科大学 卒業
2012年大阪歯科大学大学院私学研究科博士課程修了
2012年大阪歯科大学歯科矯正学講座において助教として勤務
2016年日本矯正歯科学会 認定医取得
2017年みなみもりまちN矯正歯科 開設
所属団体
近畿東海矯正歯科学会
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
World Federation of Orthodontists






