矯正歯科選びで失敗しないための基本知識

歯並びの悩みは見た目だけでなく、咬合や清掃性など口腔の健康にも関わります。適切な結果につなげるには、信頼できる矯正歯科を選ぶことが重要です。

矯正治療は長期(数か月〜数年)にわたり、費用も一定の負担を伴います。「どの医院を選べばよいか」「判断基準は何か」で迷う方も多いはずです。

当院では、矯正歯科診療に従事する歯科医師が、個々の状況に合わせた治療計画をご提案しています。以下の視点を知っておくと、医院選びが進めやすくなります。

矯正歯科と一般歯科の違いを知ろう

まず把握したいのは診療の専門性です。矯正歯科は歯列・咬合を整える治療を主として行います。一方、一般歯科はう蝕・歯周病・抜歯など幅広く対応します。

矯正歯科では、矯正治療に継続して携わる歯科医師が診療を行います。日本矯正歯科学会等の学会認定資格については、略歴欄で客観的に表示することは可能ですが、資格の希少性・優位性を強調する表現や、資格による優劣の示唆は広告上認められません。医院選びでは診断体制・説明の丁寧さ・通院体制など、総合的に確認しましょう。

失敗しない矯正歯科選びの7つのポイント

1. 学会認定資格の表示方法と確認の仕方

学会の認定医等の資格は、略歴欄に客観的に記載する形での掲示が可能です(強調・優位性の示唆は不可)。資格の有無だけで判断せず、診断・説明の内容や体制も併せて確認しましょう。

2. 診断に必要な設備が整っているか

側貌・正貌X線(セファログラム)やCTなど、骨格・歯軸・歯根周囲を把握する検査環境があると、計画立案が行いやすくなります。設備の有無や撮影方針は、初回相談で質問して確認を。

3. 複数の矯正装置(一般名称)に対応しているか

症状・希望に応じて選択肢が持てるよう、表側のブラケット装置リンガルブラケット矯正装置(舌側)マウスピース型(カスタムメイド)矯正(歯科)装置など一般名称での説明があると比較検討しやすくなります(商品名の強調やロゴの掲載は不可)。

4. 治療計画と費用の透明性

治療期間の目安・通院回数・費用・一般的なリスクや副作用について、分かりやすい説明があるか確認しましょう。追加費用の発生条件や支払い方法についても、事前に総額感を把握しておくと安心です。

5. アフターケア(保定・トラブル対応)の体制

矯正は装置撤去=終わりではありません。保定期間の通院、保定装置の管理、装置破損時の対応など、治療後までのサポートが整っているかを確かめましょう。

6. 通院のしやすさ

アクセス・診療日・診療時間は通院継続に直結します。ご自身の生活リズムで無理なく通える枠があるか、事前に公式サイトでご確認ください。

7. コミュニケーションの取りやすさ

長期治療では相談しやすい関係性が大切です。初回相談時の説明の分かりやすさ・質問への対応を見て、納得感を持てるかどうかを判断材料に。

症例別に見る矯正歯科の選び方(出っ歯・受け口・叢生)

出っ歯(上顎前突)
歯の傾斜か、骨格的要因かで方針が異なります。セファロ・CT等の分析で原因を整理し、抜歯/非抜歯など複数の計画を比較検討できると安心です。

受け口(反対咬合)
成人では外科的矯正(顎の手術)が適応となる場合があります。外科と連携できる体制があるかを確認しましょう。

八重歯・乱ぐい歯(叢生)
軽度ならマウスピース型(カスタムメイド)矯正(歯科)装置で対応可能なことも、重度ではブラケット装置が適することもあります。複数装置に対応し、症状に合わせて選択肢を提示してくれる医院が望ましいです。

初回相談で確認すべきこと(チェックリスト)

治療期間と通院頻度
一般的な目安や段階ごとの違い、スケジュール調整の可否を確認。

治療費の総額と支払い方法
基本費用・調整料・保定装置費用など総額の見通しと、分割/ローンの可否を確認。

治療の一般的なリスク・副作用
歯根吸収、歯肉の変化、う蝕・歯周病リスク、治療期間延長の可能性、後戻りのリスクなどについて事前説明があるか。

治療後のアフターケア
保定期間の通院間隔、装置破損時の対応、再調整の方針などを事前に把握しておきましょう。

まとめ:納得して続けられる医院を選ぼう

矯正治療は長期・計画的に進むため、診断体制・説明の透明性・装置選択の幅・保定までのサポートを総合的に確認することが大切です。複数の医院を比較検討し、ご自身の症状・希望・生活に合う環境を選択しましょう。

大阪市北区のみなみもりまちN矯正歯科では、個々の状況に応じた説明と計画立案を行っています。アクセスや診療時間、料金・通院案内は当院公式サイトをご参照ください。

著者情報

院長 農端 健輔

経歴

2007年大阪歯科大学 卒業
2012年大阪歯科大学大学院私学研究科博士課程修了
2012年大阪歯科大学歯科矯正学講座において助教として勤務
2016年日本矯正歯科学会 認定医取得
2017年みなみもりまちN矯正歯科 開設

所属団体

近畿東海矯正歯科学会
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
World Federation of Orthodontists

みなみもりまちN矯正歯科