矯正治療とインプラント治療を併用するメリットと進め方(基礎知識と注意点)

歯列不正と欠損を同時に抱える方は珍しくありません。見た目と噛み合わせを両立させるには、状況に応じて矯正治療とインプラント治療を組み合わせる選択肢が検討対象になります。ここでは、両治療の基本、進める順序、注意すべきポイントをわかりやすく整理します。
※矯正治療は原則として保険適用外の自由診療です。標準的な治療期間は1〜3年、通院回数の目安は24〜36回(症例により変動)です。

矯正+インプラントを併用する背景と目的

一方だけでは補えない課題があります。矯正だけでは失われた歯は補綴できず、インプラントだけでは歯列不正を整えられません。適切な組み合わせにより、審美性機能的な咬合の両立が期待できます。個々の症例では単独治療で対応が難しい場合もあり、計画立案時に併用の可否を検討します。
※誇大表現・体験談の強調は行いません。治療結果には個人差があります。

まず押さえたい基礎:それぞれの治療の役割

矯正治療とは

矯正装置で歯を段階的に移動し、歯列と咬合を整える治療です。装置はブラケット・ワイヤーなどの従来型、またはマウスピース型(カスタムメイド)矯正装置などから選択します。治療後は保定を行い、後戻りを予防します。
主なリスク・副作用:痛み・不快感、歯根吸収、う蝕・歯周病リスクの上昇、歯肉退縮、咬合違和感、後戻り など。

インプラント治療とは

欠損部にチタン製の人工歯根を顎骨に埋入し、その上に人工歯を装着して咀嚼機能と形態を回復します。一般的には一次手術・二次手術の流れで進み、全体の期間は骨の状態等により変動します。
主なリスク・副作用:腫脹・疼痛、感染、上部構造の破損、上顎洞・神経への影響、オッセオインテグレーション不全 など。

当院の費用目安(自由診療):基本矯正料金(表側)¥770,000、検査**¥22,000**、診断**¥55,000**、調整料**¥5,500/回など。表側で開始〜終了までの総額目安は¥1,100,000〜¥1,300,000**。詳細は「矯正費用について」をご確認ください。nobata-dental.com

併用時の進め方:どちらを先に?(原則と例外)

基本パターン:矯正を先行

インプラント体は埋入後に位置移動できないため、先に歯列を目標位置へ整えてから、確保したスペースにインプラントを計画するのが一般的です。これにより、咬合・清掃性・審美性のバランスが取りやすくなります。
※治療の途中段階で歯の位置が概ね確定すれば、タイミングを見てインプラントを進めるケースもあります。

例外的にインプラントを先行する場合

欠損部が歯の移動計画に影響しない場合や、固定源として歯科矯正用アンカースクリュー等を計画的に用いる場合など、症例により先行が妥当なことがあります。いずれも十分な診査・診断とシミュレーションを前提に行います。

併用時の注意点(費用・期間・連携)

期間と通院回数、費用の考え方

  • ・標準的な矯正治療期間は1〜3年通院24〜36回が目安です(症例差あり)。

  • ・矯正は保険適用外の自由診療です。費用・期間・回数をわかりやすく掲示することが求められます。

  • ・長期的視点で、機能回復や清掃性の向上が得られればトラブル抑制につながる場合もあります。開始前に計画・費用の説明を受けてください。

専門領域の連携

矯正とインプラントは専門性の高い治療です。矯正歯科・補綴・口腔外科の緊密な連携のもと、安全性と予見性の高い計画を立案します。独自名称の治療法や過度な優位性の主張は行わず、学術的に適切な用語で説明します。

 

先天欠如を伴う不正咬合のケース

矯正で欠如部のスペースを適正化したうえで、位置決め後にインプラントを検討します。装置・期間・費用・リスクは診断結果で変わります。具体的な数値は初回診査・診断で提示します。

進化する診断・計画(デジタル活用)

歯科用CT口腔内スキャナーなどのデジタル機器により、骨形態や歯列の三次元情報を把握し、安全性と予見性の高い計画立案に役立てます。製品ロゴや固有商品名の過度な掲載は行わず、一般名称での情報提供を基本とします。

併用治療で理想的な口元をめざすために

  • 治療計画・期間・費用、想定されるリスク・副作用を事前に確認しましょう。

  • ・用語は学術的表記(例:マウスピース型(カスタムメイド)矯正装置歯科矯正用アンカースクリュー 等)を基本とします。

  • ・清掃性の確保やメンテナンスの継続が、長期安定に重要です。装置装着中はプラークコントロールのご協力をお願いします。

まとめ:矯正+インプラント併用の要点

  • ・原則は矯正先行→インプラント。例外は症例に応じて検討。

  • 自由診療で、治療期間1〜3年・通院回数24〜36回が目安。

  • 費用・期間・回数・主なリスクをわかりやすく提示し、誇大・比較・体験談強調は行わない。

  • ・デジタル診断を活用し、多職種連携で計画的に進める。

費用の詳細は当院の料金表をご参照ください(例:表側矯正の総額目安**¥1,100,000〜¥1,300,000**、検査**¥22,000**・診断**¥55,000**等)。個々の症例で必要な処置や装置構成により総額は変動します。nobata-dental.com

著者情報

院長 農端 健輔

経歴

2007年大阪歯科大学 卒業
2012年大阪歯科大学大学院私学研究科博士課程修了
2012年大阪歯科大学歯科矯正学講座において助教として勤務
2016年日本矯正歯科学会 認定医取得
2017年みなみもりまちN矯正歯科 開設

所属団体

近畿東海矯正歯科学会
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
World Federation of Orthodontists

 

みなみもりまちN矯正歯科