矯正治療中に歯間ブラシが必要な理由

矯正装置を装着すると、歯みがきがしにくくなり、清掃の難易度が上がります。ブラケットやワイヤーがあることで、通常の歯ブラシだけでは届きにくい部分が増えてしまうためです。

特に「ブラケットと歯の境目」「ワイヤーと歯の間」「歯と歯のすき間」には汚れがたまりやすく、むし歯や歯周病の原因となることがあります。

矯正治療中にむし歯が発生すると、装置を一時的に外して治療が必要になる場合もあります。その際には治療期間が延びるだけでなく、装置の取り外しによる歯への負担も懸念されます。

歯間ブラシは、こうした通常の歯ブラシでは届きにくい部分の清掃を補うために適したケア用品です。

矯正装置に適した歯間ブラシの選び方

矯正治療中の清掃を効果的に行うには、装置や歯列に合った歯間ブラシを選ぶことが重要です。歯間ブラシにはSSS、SS、S、M、Lなどのサイズがあり、部位に応じて使い分けるのが理想的です。

奥歯のブラケット周辺にはアングルタイプ（L字型）、前歯や比較的届きやすい部分にはストレートタイプが適しています。ワイヤーの下や細かい部分は**極細タイプ（SSS〜SS）**を使うとよいでしょう。

初めて使用する場合は、無理に大きいサイズを選ばず、歯肉を傷つけないように小さいサイズから試すのがおすすめです。

矯正装置周りの効果的な歯間ブラシの使い方

ブラケット周りの清掃方法

ブラケットの角（かど）は特に汚れが溜まりやすい箇所です。鏡を見ながら、歯間ブラシをブラケットの付け根に軽く当て、2〜3回ほど優しく往復させましょう。
研磨剤入りの歯みがき剤を少量つけると、より効率的に汚れを除去できます。

ワイヤー下の清掃方法

ワイヤーの下はブラシの毛先が届きにくいため、歯垢やステイン（着色汚れ）が残りやすくなります。歯間ブラシを水平に挿入し、歯の表面に沿わせて前後に動かします。
奥歯の狭い部分には、より細いサイズの歯間ブラシが有効です。

歯間ブラシを使用する際の注意点

歯間ブラシは便利な清掃ツールですが、使い方を誤ると歯肉を傷つけることがあります。
鉛筆を持つように軽く握り、力を入れすぎずに使用しましょう。抵抗を感じた場合は角度を変え、無理に挿入しないようにしてください。
使用後は流水でよく洗い、乾燥させて清潔に保ちます。毛先が開いてきたら1ヶ月を目安に交換しましょう。

歯間ブラシに加えて、通常の歯ブラシやタフトブラシを併用すると、より効果的に汚れを落とすことができます。