1歳でも歯並びが悪いことってあるの?正常範囲や要注意サインを解説

1歳になると、小さなお口に乳歯が生え始めます。1歳のうちにすべての歯が生え揃うことはないものの、数本が生えてきた時点で「自分の子は歯並びが悪いのでは?」と心配になるケースもあるようです。
1歳では、歯並びが悪いように見えても成長とともに改善することも多く、心配する必要がないケースがほとんどです。しかし、中には早期に適切な対処をすることで、歯並びの悪化を改善できるケースもあります。そこで今回は、1歳ならば歯並びが悪く見えても心配ないケースや、1歳から注意したい歯並びなどについて解説します。
悪い歯並びではない!1歳なら心配のないケース
歯が生え始めると、離乳食も食べられるようになります。子どもの成長は嬉しいものですが、同時に新たな不安が生じる場合もあります。特に、歯並びはお顔の印象を大きく左右するため、乳歯であっても歯並びが悪いかもしれないと不安になってしまうこともあるでしょう。
乳歯が生え始めたばかりの1歳であれば、歯並びが悪く見えても、次のような場合は心配ありません。
前歯が斜めに生えている
乳歯は全部で20本ありますが、最初に生えてくるのは下の前歯です。その後、上の前歯も生え始め、1歳を過ぎるころには上と下の前歯の隣にさらに1本ずつ乳歯が生え、合わせて8本ほどの歯が揃います。
このとき、上の前歯がハの字のように、斜めに生え始めることがあります。下の歯はまっすぐ生えているのに、上の前歯が斜めに生えていると心配するケースもありますが、顎が成長するとともに自然に治るケースが多いため、この場合は心配する必要はありません。
歯と歯の間に隙間が空いている
1歳ごろは、歯と歯の間に隙間が目立つことが多いため、すきっ歯になってしまうのではと心配するケースも少なくないようです。しかし、これは成長過程によく見られ、問題のない歯並びです。奥歯が生え揃い、前歯と奥歯の間に乳犬歯と呼ばれる歯が生え、乳歯が生え揃ってくる2歳くらいになると、歯の数も増えてきます。そのため、隙間がそれほど目立つことはなくなってきます。
実は、乳歯のときに隙間が空いている状態のほうが、永久歯に生え変わった後に歯がきれいに並ぶ可能性が高くなります。そのため、永久歯に生え変わってからも隙間が気になる場合は、歯科医師に相談する必要がありますが、1歳時点でのすきっ歯について心配は不要です。
1歳で注意したい悪い歯並びの例
よく悪い歯並びと捉えられる「上の前歯が斜めに生えている」「歯と歯の間に隙間が空いている」状態は、1歳時点では問題ありません。しかし、1歳でも次のような歯並びが見られる場合は注意が必要です。
下の前歯が上の前歯に被さっている
下の前歯が上の前歯に被さっている、いわゆる「受け口」の状態は、注意が必要です。上の前歯が下の前歯を数ミリ程度、覆う状態が本来の正しい噛み合わせであり、受け口は「反対咬合」と呼ばれる悪い歯並びに該当します。
受け口には、上顎が小さく下顎が大きいなど骨格に原因があるケースと、歯の生え方に原因があるケースの2パターンがあります。受け口は、見た目に影響するだけでなく、上顎の骨の成長を阻害してしまうおそれもあるため、将来的には治療が必要となる場合があります。特に、骨格に問題がある場合は、小児期に顎の骨の適正な成長を促す治療を行うと、改善が期待できます。
1歳時点での受け口は自然に改善するケースも多く見られるものの、気になる場合には早めに歯科医師へ相談し、経過を観察しておくと安心です。
上下の前歯の間に隙間がある
お口を閉じたとき、上下の前歯が噛み合わず、歯と歯の間に隙間が生じている状態は「オープンバイト(開咬)」と呼ばれる噛み合わせの異常です。ただし、1歳時点ではすべての歯が生え揃っておらず、一時的にこのような状態となっているケースもあります。そのため、受け口同様すぐに治療を始める必要はないものの、定期的に歯科を受診し、経過観察をしておくとよいでしょう。
また、後述しますが、1歳前後ではお口周りのクセがオープンバイトの原因となっているケースが多く見られます。1歳時点ですぐにクセを直す必要はありませんが、歯並びを乱す日常生活の要因について知っておけば、近い将来に役立てられるでしょう。
歯の隙間が全くない
歯の隙間が空いている状態を悪い歯並びと思いがちですが、乳歯の場合は、反対に歯の隙間が全くない状態のほうが問題です。乳歯に比べて永久歯のサイズは大きく、乳歯の段階で隙間が生じるくらいの顎の骨のスペースがないと、永久歯に生え変わったときに歯列に歯が並びきらないおそれがあります。隙間がなければ、歯は適切な位置に生えることができないため、歯が重なって生えたり、ねじれて生えたりします。
乳歯の時期に隙間がない場合であっても、すぐに治療を始める必要はありません。しかし、歯と歯の間が虫歯になるリスクが高いため、定期的に検診を受けておくとよいでしょう。また、定期的に歯科医院に通院していれば、適切なタイミングで治療のアドバイスを受けられる点もメリットです。
歯並びが悪くなる前に始める1歳からできるケア

1歳は乳歯がまだ生え揃っていない状態であり、歯並びが悪いように見えても、今すぐ治療が必要となることはありません。また、成長期に顎の骨の適正な成長を促すことができれば、歯並びの悪化を避けられる可能性もあります。
ここでは、将来の歯並び悪化の予防につながるケアを6つご紹介します。
歯磨きの習慣をつける
乳歯が生え始めたら、まずは歯磨きの習慣をつけ、お口を清潔に保つ習慣を身に付けることが大切です。乳歯が虫歯になると、永久歯の歯並びに大きく影響する可能性があります。虫歯によって永久歯が生える前に乳歯が抜けてしまうと、周囲の歯が空いたスペースに倒れ込みます。その結果、永久歯は本来の位置に生えることができなくなり、斜めに生えたり、重なって生えたりして「叢生(そうせい)」と呼ばれるガタガタした歯並びとなるおそれがあるのです。
お子さまが歯磨き嫌いにならないように工夫をしながら、楽しい親子のスキンシップの時間として、仕上げ磨きも行うようにしましょう。
指しゃぶりやおしゃぶりのクセを治す
指しゃぶりは、子どもが自分の身体を認識する一つの「学習行動」だと言われています。しかし、常に指をしゃぶっていると前歯が指で押されることになるため、指しゃぶりによってオープンバイトや出っ歯などの悪い歯並びを招くおそれがあります。また、上の前歯に力がかかることで、すきっ歯になってしまう場合もあります。また、指しゃぶりだけでなく、おしゃぶりの使用にも同じリスクがあります。
ただし、子どもにとって指しゃぶりが精神的な安心につながっているケースもあるため、1歳であれば無理にやめさせる必要はありません。3歳を過ぎても続く場合は、叱るのではなく、言葉で説明しながら、徐々に指しゃぶりを減らせるよう働きかけるとよいでしょう。
離乳食に前歯でかじり取れる硬いものも取り入れる
出っ歯や叢生といった悪い歯並びは、顎の骨が小さいことが原因となっているケースが多く、歯が並ぶスペースを確保できれば、きれいに並んだ歯列を実現しやすくなります。顎の骨の成長を促すためには、しっかりと噛み、顎の骨に刺激を与えることが大切です。また、噛む行為は、お口周りの筋肉の発達も促進し、顎の発育によい影響を与えます。
1歳の場合は、まだすべての歯が生え揃っていないため、前歯でかじれるような食材を取り入れるとよいでしょう。例えば、バナナやスティック状にカットした蒸し野菜などがおすすめです。ただし、お口いっぱいに入れてしまうと、丸のみをしてしまうリスクがあります。保護者の方が同じ食材を手に持ち、少しずつかじりながらよく噛み、お手本を見せてあげると、上手に手づかみ食べができるようになるでしょう。
寝る姿勢に気を付ける
寝るときの姿勢も、歯並びを乱す原因となります。いつも同じ方向を向いて寝るクセや、うつ伏せで寝るクセがあると、頭の重さによって片側の顎に継続的な力がかかり、骨格が歪むおそれがあります。顎の骨がずれてしまうと、上下の歯の中心のずれや、奥歯の噛み合わせのずれを招きます。さらに、うつ伏せで寝ている場合は、顎の骨が前後にずれ、出っ歯や受け口などの問題を引き起こすケースもあります。
枕や寝具などを見直し、仰向けの状態で寝る習慣をつけるようにしましょう。また、眠りが深くなってから、仰向けの体勢に変えてあげても問題ありません。
口呼吸をやめて鼻呼吸を促す
口で呼吸する習慣も、歯並びの悪化に影響します。口を常に開けた状態では、舌の位置が下がった状態となります。お口を閉じたとき、舌が上顎に触れている状態が本来の舌の位置です。本来、舌が内側から上顎に適度な力を加えることで、上顎の発育を助けます。しかし、口呼吸の場合は舌が下に落ちているため、上顎が狭くなり、出っ歯や叢生の原因となります。
なお、口呼吸の原因が鼻詰まりにある可能性もあるため、口呼吸が続いているようであれば、耳鼻科を受診して原因を取り除き、鼻で呼吸をする習慣を身につけられるように促しましょう。
歯医者デビューをする
歯並びが悪い場合でも、1歳から治療を行うことはほとんどありません。しかし、受け口など、早期から経過を確認することが役立つケースもあります。適切なタイミングで適切な処置を受けるためには、歯科医院に定期的に通院し、虫歯の予防に取り組みながら、歯科医師のアドバイスを受けることが大切です。
まとめ
1歳になり、歯が生え始めると「歯並びが悪いのでは?」と不安になるケースは少なくありません。「我が子には、できる限りきれいな歯並びになってほしい」と思う気持ちが強いため、少しでも歯並びが悪いように見えると、心配になってしまうことも多いようです。
1歳であれば、多くの場合、歯並びが悪いように見えても心配はありません。しかし、中には成長とともに悪化するケースもあるため、1歳になったら歯科医院で定期的に健診や予防ケアを受けるとともに、歯並びについての相談ができる環境を整えておくと安心です。みなみもりまちN矯正歯科では、小さなお子さまの歯並びのご相談を受け付けています。ご不安がある場合には、お気軽にご相談ください。







