矯正は若いうちだけじゃない!大人からの矯正治療ガイド
大人の矯正治療が増えている理由
「矯正治療は子どもの頃にするもの」という固定観念をお持ちではありませんか?実はそんな常識は、今や過去のものになりつつあります。近年、20代、30代はもちろん、40代、50代以降の方々が矯正治療を始めるケースが急増しているのです。
大人になってから歯並びを整えることに、どんな意味があるのでしょうか。
私が院長を務めるみなみもりまちN矯正歯科では、年々大人の患者さんが増加しています。その背景には、矯正治療に対する認識の変化と、目立ちにくい矯正装置の普及があるのです。
大人の矯正治療が増えている理由として、まず挙げられるのが「見た目への意識の高まり」です。ビジネスの場での第一印象や、SNSでの自分の見え方を意識する方が増えているのです。
さらに、矯正装置の技術革新により、マウスピース型矯正やセラミック製の目立ちにくいブラケットなど、審美性に配慮した選択肢が増えたことも大きな要因です。これにより、「矯正中の見た目」を気にする必要が少なくなりました。
また、健康意識の高まりも見逃せません。歯並びが悪いと歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病のリスクが高まることが広く知られるようになったのです。
大人の矯正治療は、見た目の改善だけでなく、口腔内環境の改善による健康寿命の延伸にも貢献します。
大人の矯正治療のメリット
大人になってからの矯正治療には、子どもの頃には気づかなかった多くのメリットがあります。単に見た目が良くなるだけではないのです。
まず最も実感しやすいのは「見た目の改善」です。歯並びが整うことで、笑顔に自信が持てるようになります。これは仕事やプライベートでの対人関係にも良い影響を与えるでしょう。
次に「口腔衛生の向上」が挙げられます。歯並びが整うと、歯ブラシや歯間ブラシが届きやすくなり、日常的なケアが格段にしやすくなるのです。これにより、虫歯や歯周病のリスクが低減します。
さらに見逃せないのが「咀嚼機能の改善」です。噛み合わせが整うことで、食べ物を効率よく噛み砕けるようになります。これは消化の助けになるだけでなく、食事の満足度も高めてくれるのです。
あなたは肩こりや頭痛に悩まされていませんか?
実は、歯並びや噛み合わせの問題が、肩こりや頭痛の原因になっていることもあります。噛み合わせが改善されることで、これらの不調が軽減されるケースも少なくありません。
また、発音の改善も期待できます。特に前歯の位置が整うことで、「サ行」や「タ行」の発音がクリアになることがあります。これは、人前で話す機会の多い方にとって大きなメリットとなるでしょう。
そして何より、「将来の歯の健康を守る」という長期的なメリットがあります。歯並びが悪いと特定の歯に負担がかかりやすく、歯の摩耗や破折のリスクが高まります。矯正治療はこれらの問題を予防し、生涯にわたって自分の歯で食事を楽しめる可能性を高めてくれるのです。
大人の矯正治療の種類と特徴
大人の矯正治療には、様々な選択肢があります。それぞれの特徴を理解して、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

まず代表的なのが「表側矯正」です。歯の表側に金属やセラミックのブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かしていく従来からの方法です。治療効果が高く、複雑な歯の動きにも対応できる点が最大の強みです。
「見た目を気にしたい」という方には、「セラミックブラケット」がおすすめです。白色や歯の色に近い素材でできているため、金属製に比べて目立ちにくいのが特徴です。治療効果は従来の金属ブラケットとほぼ同等で、審美性と機能性を両立させています。
さらに目立ちにくさを求めるなら「舌側矯正」という選択肢もあります。これは歯の裏側にブラケットを装着する方法で、外からはほとんど矯正装置が見えません。ただし、装置が舌に当たるため慣れるまで発音しづらさを感じることがあります。
近年特に人気が高まっているのが「マウスピース矯正」です。透明なマウスピースを定期的に交換しながら、少しずつ歯を動かしていく方法です。取り外しができるため、食事や歯磨きの際に不便さを感じにくいのが大きな魅力です。
マウスピース矯正は目立ちにくさと使いやすさから人気ですが、複雑な症例には不向きな場合があります。症例によっては従来のブラケット矯正の方が効果的なこともあるのです。
また「部分矯正」という選択肢もあります。全体ではなく、気になる前歯だけなど、部分的に矯正を行う方法です。治療期間が短く、費用も抑えられるメリットがありますが、噛み合わせ全体の改善には限界があります。
どの矯正方法が自分に合っているかは、歯並びの状態や生活スタイル、予算などによって異なります。まずは矯正歯科医院での相談を通じて、自分に最適な方法を見つけることをおすすめします。
大人の矯正治療の流れと期間
大人の矯正治療は、一般的にどのような流れで進むのでしょうか。まずは全体像を把握しておきましょう。
矯正治療は「初診相談」から始まります。ここでは現在の歯並びや噛み合わせの状態を確認し、どのような治療が必要かを診断します。レントゲン撮影や口腔内の写真撮影、歯型の採取などを行うこともあります。

初診相談の結果をもとに「治療計画」を立てます。どのような矯正装置を使用するか、治療期間はどのくらいかかるか、費用はいくらになるかなど、詳細な説明を受けることになります。
計画に同意したら、いよいよ「矯正装置の装着」です。表側矯正なら歯の表面にブラケットを接着し、ワイヤーを通します。マウスピース矯正なら最初のマウスピースを装着します。この段階で違和感や軽い痛みを感じることがありますが、通常は1週間程度で慣れてきます。
装置装着後は定期的な「調整」が必要です。表側矯正なら4〜6週間に1回程度の頻度でワイヤーの調整を行います。マウスピース矯正なら1週間から10日ごとにマウスピースを交換していきます。
大人の矯正治療にかかる期間は、症例の複雑さによって大きく異なります。軽度の歯並びの乱れなら1年程度で終わることもありますが、複雑な症例では2〜3年かかることもあります。
あなたは「もう年だから時間がかかるのでは?」と心配していませんか?
確かに子どもに比べると骨の代謝が遅いため、同じ距離を歯を動かすのに若干時間がかかる傾向はあります。しかし、最近では歯科矯正用アンカースクリューや外科処置行った後のRAP(Regional Acceleratory Phenomenon )などを用いた「スピード矯正」という選択肢もあり、治療期間を短縮できる可能性もあるのです。
矯正装置が外れた後も「保定期間」が必要です。これは歯が元の位置に戻るのを防ぐため、リテーナーと呼ばれる装置を装着する期間です。通常は矯正治療期間と同程度の期間が必要とされています。
治療の全過程を通じて大切なのは、歯科医の指示を守り、定期的なメンテナンスを欠かさないことです。特に大人の場合は歯周病のリスクもあるため、治療中の口腔衛生管理が非常に重要になります。
大人の矯正治療で気になる費用
矯正治療を検討する際に、多くの方が気になるのが費用の問題です。大人の矯正治療にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
まず知っておきたいのは、矯正治療は保険適用外の自由診療であるということです。そのため、医院によって費用設定が異なります。
費用の支払い方法も重要なポイントです。一括払いの他に、分割払いやローンを組める医院も多くあります。月々1万円程度から支払いプランを組むことも可能なので、まとまった資金がなくても治療を始められるケースが多いのです。
「矯正治療は高額だから無理」とあきらめていませんか?
実は矯正治療費は医療費控除の対象となります。年間の医療費が10万円を超えた場合、確定申告をすることで税金の一部が還付される可能性があるのです。
実は、矯正治療費は医療費控除の対象となる場合があります。特に、見た目を整えるための審美目的ではなく、かみ合わせの改善や咀嚼機能の回復を目的として行う矯正治療であれば、医療費控除の対象となります。年間の医療費の合計が10万円を超えた場合、確定申告を行うことで支払った税金の一部が還付される可能性があります。
また、矯正治療は見た目だけでなく口腔機能の改善にもつながる投資と考えることもできます。歯並びが改善されることで、将来的な歯科治療費が削減できる可能性もあるのです。
費用面で不安がある場合は、複数の医院で相談することをおすすめします。同じ治療内容でも医院によって費用設定が異なることがあります。ただし、単に「安いから」という理由だけで医院を選ぶのではなく、医師の経験や技術力、設備なども総合的に判断することが大切です。
大人の矯正治療で気をつけるべきポイント
大人の矯正治療には、子どもの頃とは異なる注意点があります。治療を成功させるために、知っておくべきポイントを解説します。
まず重要なのが「歯周病のリスク」です。大人になると歯周病のリスクが高まりますが、矯正装置があると歯磨きがしづらくなるため、さらにリスクが上がります。治療前に歯周病のチェックと必要に応じた治療を行い、治療中も丁寧な口腔ケアを心がけることが大切です。

次に「治療中の痛み」についてです。矯正装置を装着した直後や調整後は、歯に圧力がかかるため痛みを感じることがあります。これは通常、数日から1週間程度で和らぎますが、痛みに弱い方は医師に相談し、対処法を教えてもらうとよいでしょう。
「治療期間の長さ」も心構えとして必要です。大人の矯正治療は子どもに比べて時間がかかることが多く、1〜3年の治療期間を覚悟する必要があります。長期間のモチベーション維持が重要になってきます。
また「生活への影響」も考慮すべきポイントです。特に表側矯正やマウスピース矯正では、食事制限や装置の管理など、日常生活に一定の制約が生じます。仕事や社交の場での配慮も必要になるかもしれません。
「矯正治療に年齢制限はあるの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
結論から言えば、年齢による絶対的な制限はありません。健康な歯と歯茎があれば、60代、70代でも矯正治療は可能です。ただし、年齢が上がるにつれて骨の代謝が遅くなるため、治療期間が長くなる傾向はあります。
大人の矯正治療で特に重要なのが「医師選び」です。経験豊富な矯正専門医を選ぶことで、より確実な治療結果を期待できます。日本矯正歯科学会の認定医や専門医の資格を持つ医師は、専門的な知識と技術を持っています。
治療前のカウンセリングでは、遠慮せずに疑問や不安を伝えましょう。治療計画、期間、費用、リスクなどについて、納得いくまで説明を受けることが大切です。
また、治療中のフォローアップも重要です。定期的な通院と医師の指示を守ることで、より良い結果につながります。特に大人の場合は、仕事などで忙しく通院が難しいこともあるかもしれませんが、予約をしっかり守ることが治療成功の鍵となります。
大切なのは、自分の状態や生活スタイルに合った矯正方法を選ぶこと、そして信頼できる矯正専門医に相談することです。一人ひとりの状況は異なりますが、適切な治療計画と患者さん自身の協力があれば、年齢に関わらず素晴らしい結果を得ることができるのです。
まとめ:大人の矯正治療で人生が変わる
これまで見てきたように、矯正治療は決して若いうちだけのものではありません。大人になってからでも、適切な治療を受けることで、歯並びや噛み合わせの問題を改善することができるのです。
大人の矯正治療の最大のメリットは、見た目の改善だけでなく、口腔衛生の向上や咀嚼機能の改善、さらには肩こりや頭痛の軽減など、全身の健康にも良い影響を与える可能性があることです。
治療方法も、従来の金属ブラケットだけでなく、セラミックブラケットや舌側矯正、マウスピース矯正など、ライフスタイルや好みに合わせて選べるようになっています。
確かに、治療期間や費用面での懸念はあるかもしれません。しかし、分割払いやローンの活用、医療費控除の適用など、経済的な負担を軽減する方法もあります。
何より大切なのは、「もう遅い」と諦めないことです。健康な歯と歯茎があれば、年齢に関わらず矯正治療は可能です。
素敵な笑顔は、あなたの人生を大きく変える可能性を秘めています。自信を持って笑えることで、仕事やプライベートでの対人関係が良好になり、人生の質が向上することも少なくありません。
あなたも「歯並びを治したい」と思っているなら、まずは矯正専門医に相談してみることをおすすめします。みなみもりまちN矯正歯科では、初回相談を無料で承っています。あなたの状態や希望に合わせた最適な治療法をご提案いたします。
「矯正は若いうちだけ」という固定観念は、もう過去のものです。いつからでも始められる矯正治療で、新しい自分に出会ってみませんか?
詳しい情報や無料相談のご予約は、みなみもりまちN矯正歯科のウェブサイトをご覧ください。あなたの素敵な笑顔のお手伝いを、私たちは心よりお待ちしております。
著者情報
院長 農端 健輔

経歴
2007年大阪歯科大学 卒業
2012年大阪歯科大学大学院私学研究科博士課程修了
2012年大阪歯科大学歯科矯正学講座において助教として勤務
2016年日本矯正歯科学会 認定医取得
2017年みなみもりまちN矯正歯科 開設
所属団体
近畿東海矯正歯科学会
日本矯正歯科学会
日本顎変形症学会
日本口蓋裂学会
World Federation of Orthodontists







