歯と歯の間に隙間が空いている「すきっ歯」の状態は、子どもっぽい印象に見られるほか、日本ではネガティブな印象につながるケースもあります。すきっ歯は、正式には「空隙歯列」と呼ばれる不正咬合です。また、すきっ歯の中でも、前歯の真ん中に隙間がある状態を「正中離開」といいます。

会話をするときには口元に目が行きやすいため、見た目が気になり、すきっ歯の治療を検討している方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、すきっ歯の原因やすきっ歯の治療法について解説します。

 

すきっ歯の原因は?

すきっ歯は、主に次の5つの原因によって生じるケースがあります。

・上唇小帯の付着異常

・歯が小さい

・歯が少ない

・顎が大きい

・舌で歯を押すクセがある

それぞれのケースについて、詳しくご説明します。

 

上唇小帯の付着異常

上唇小帯とは、上唇と前歯の歯茎を結ぶ組織のことです。この上唇小帯が太く、歯の間に挟まっている場合を「上唇小帯の付着異常」といいます。この場合、上唇小帯が歯の間に挟まることで、前歯の間に隙間が生じます。

ただし、幼少期は上唇小帯が太く、長く伸びているケースが一般的であり、成長とともに隙間が閉じてくるケースが多いため、乳歯期の正中離開の場合は心配する必要はありません。

 

歯が小さい

顎の大きさに比べて、歯が小さい場合は、歯と歯の間に隙間ができやすい状況です。また「矮小歯」と呼ばれる極端に小さなサイズの歯がある場合も、隣の歯との間に隙間ができやすくなります。

 

歯が少ない

生まれつき歯の本数が少なかったり、歯が骨に埋もれたまま生えてこなかったりすることで、すきっ歯になるケースもあります。歯の本数が少ないために顎のスペースが余り、隙間が生じてしまうためです。

 

顎が大きい

顎のサイズが大きいために、すきっ歯になるケースもあります。歯の大きさに比べて顎が小さい場合は、出っ歯や歯のデコボコといった不正咬合を招きますが、反対に顎が大きい場合は隙間が生じ、すきっ歯となります。歯並びを整えるうえでは、顎と歯のサイズのバランスが非常に重要です。

 

舌で歯を押すクセがある

実は幼少期の習慣により、すきっ歯となるケースもあります。例えば、舌で上の前歯を裏側から押すクセがあると、継続的に力が加えられることで歯が徐々に左右に開き、前歯の間に隙間が生じてしまいます。

また、指しゃぶりのクセも舌で歯を押すクセと同様に、前歯が裏側から押し出され、すきっ歯につながることがあります。

 

すきっ歯は治療が必要?

歯と歯の間に隙間があると、さまざまな問題を引き起こす場合があります。そのため、見た目が気にならない場合でも、すきっ歯は放置せず、治療したほうが賢明でしょう。

すきっ歯の治療をおすすめする理由は、次のとおりです。

 

発音が不明瞭になりやすい

歯と歯の間に隙間があると、発音時に息が漏れてしまうため、発音が不明瞭になりやすいです。特に「サ行」や「タ行」の発音が難しいといわれており、発音が聞き取りにくくなるために聞き返されるケースも多く、コミュニケーションに消極的になってしまうケースもあります。

 

虫歯や歯周病のリスクが高まる

歯と歯の間に隙間があると、食べ物が詰まりやすくなります。さらに、ブラッシングだけでは隙間の汚れを十分に落とすことは難しく、汚れがたまることで細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

 

噛み合わせのバランスが崩れる

前歯に隙間があると、前歯で噛みちぎることが難しく、奥歯に負担がかかりやすくなります。

また、隙間が空いている箇所に隣接する歯が倒れ込むことで、噛み合わせがずれるケースも見られます。

 

すきっ歯に適した矯正方法とは

すきっ歯は、矯正治療で改善できます。ただし、症例や生活スタイルなどによって適した治療法は異なるため、治療時には歯科医師に相談したうえで、適切な診断のもと、治療法を選択することが大切です。

 

部分矯正

前歯の隙間だけが気になる場合は、部分矯正で治療できる場合があります。部分矯正の場合、治療期間を短縮でき、治療費用も抑えられる場合があります。

ただし、部分矯正で治療できるのは隙間がわずかな場合のみであり、部分矯正で噛み合わせまで整えることはできません。また、部分矯正は、後述するワイヤー矯正とマウスピース矯正のどちらでも対応できます。

 

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は、歯の表面に矯正装置を取り付け、装置に通したワイヤーにかける圧力を調整することにより、歯の隙間を閉じていきます。すきっ歯だけでなく、歯並び全体にお悩みがある場合などは、細かな調整が可能なワイヤー矯正が適しているでしょう。

また、24時間装置を装着しているため、効率よく治療を進められる点もワイヤー矯正のメリットですが、装置が目立ちやすい点や、ブラッシングが難しくなるために虫歯のリスクが高まる点がデメリットでもあります。ただし、白や透明の装置を選択する方法や、歯の裏側に装置を装着する方法により、目立ちやすさはカバーできます。また、オーラルケアを徹底し、歯科医院で定期的にクリーニングを受ければ、虫歯のリスクを抑えられます。

 

マウスピース矯正

透明なマウスピース型の装置を使い、歯の隙間を閉じていく矯正治療法です。透明な装置は、装着時にもほとんど目立たず、矯正治療中であることを周りに気付かれにくい点が、マウスピース矯正の最大のメリットだといえます。また、食事とブラッシングの際には装置を取り外せるため、これまで通りの食事やケアを続けられる点も、メリットとなるでしょう。

すきっ歯の場合は、マウスピース矯正で治療ができるケースが多いものの、すべての症例に適用できるわけではありません。また、マウスピースは自由に取り外しができる分、装着時間を守らない場合、計画通りに治療が進まず、思うような効果が得られない可能性があります。マウスピース矯正が適しているのは、主な悩みがすきっ歯であり、歯を大きく移動させる必要がなく、しっかりとマウスピースの装着時間を管理できる方です。

 

すきっ歯の矯正以外の治療法は?

すきっ歯の治療法は、矯正治療だけではありません。ここでは、歯列矯正以外のすきっ歯の治療法をご紹介します。

 

ダイレクトボンディング

ダイレクトボンディングは、歯に直接歯科用プラスチックを盛り付けることで歯の形を調整し、隙間をなくす治療法です。治療回数が少なく、短期間で治療を終えられるため、前歯の間だけ少し隙間が空いている場合などに適しています。

 

ラミネートベニア

ラミネートベニアは、薄いネイルチップのようなセラミック製の素材を歯に貼り付けることで、隙間を隠す治療法です。矯正治療に比べると治療期間が短く、治療費用も抑えながら手軽に治療ができます。ただし、ラミネートベニアも大きな隙間には適用できません。

 

上唇小帯切除術

上唇小帯の付着異常により、前歯の間に隙間が生じている場合は、上唇小帯を切除する比較的負担の少ない外科処置が必要です。子どもの場合は、切除によってすきっ歯が治る可能性がありますが、大人の場合は切除だけでは歯の隙間は閉じず、矯正治療が必要になる可能性が高くなります。

 

矯正治療とその他の治療法の違いとは

ダイレクトボンディングやラミネートベニアは、すきっ歯の見た目を改善する治療法です。ただし、歯科用プラスチックやラミネートベニアは、外れたり折れたりする場合もあるため、定期的なメンテナンスが必要です。

一方、矯正治療は、見た目に加えて、噛み合わせ全体を根本から治療する方法である点に違いがあります。なお、矯正治療は健康保険が適用されない自費診療ですが、審美目的の治療となる場合は、ダイレクトボンディングやラミネートベニアも自費診療となります。

 

まとめ

すきっ歯の治療法には、矯正治療以外にも、ダイレクトボンディングやラミネートベニアといった治療法があります。矯正治療は、歯並びを整えることで隙間を埋めるため治療に時間はかかりますが、治療後の状態を維持できれば、再治療のリスクを抑えられる場合があります。また、すきっ歯以外のお悩みも同時に解決することが可能です。

すきっ歯を改善し、噛み合わせも整えたいとお考えの場合は、ぜひみなみもりまちN矯正歯科までご相談ください。

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