八重歯と犬歯の違いって何?治療が必要なケースや放置するリスクを解説

笑ったときに口元からのぞく八重歯は、かわいらしい印象を与える場合もあります。しかし、「犬歯がかわいい」とはあまり聞いたことはありません。八重歯と犬歯は混同しやすい言葉ですが、八重歯と犬歯には明確な違いがあるからです。では、八重歯と犬歯にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、八重歯と犬歯の違いや八重歯を放置するリスク、治療方法などについて解説します。
八重歯と犬歯の違いをチェック!
では、早速、八重歯と犬歯の違いから確認していきましょう。
八重歯とは
八重歯とは、歯が本来の位置から外側に飛び出し、ほかの歯と重なるように生えている状態を指します。歯の並びより唇側に出た状態であるため、歯科用語では「低位唇側転位歯」と呼ばれます。
八重とは、同じものが重なることを意味する言葉です。例えば、八重桜も花びらが重なっていることからこのように呼ばれています。八重歯も歯と歯が重なり合っているために、この呼び方が定着したと考えられます。
犬歯とは
犬歯は、前から3番目に生えている歯の名称です。犬歯には、食べ物をかみ切る役割があるため、少しとがった形状をしています。また、歯の形から「糸切り歯」と呼ばれることもあります。
犬歯は、根っこが非常に長い点も特徴的で、強い力に耐えられるため寿命が長い歯としても知られています。
八重歯と犬歯を間違いやすい理由は?
八重歯は歯が重なっている状態を指し、犬歯は前から3番目に生えている歯の名前です。両者には明確な違いがあるにもかかわらず、八重歯と犬歯が間違われやすい理由は、犬歯が八重歯になりやすいからです。
実際には、犬歯だけがほかの歯と重なるわけではありません。しかし、正面から見たときに犬歯が前の歯に重なっていると重なりが目立つため、八重歯=犬歯と思ってしまう人もいるようです。
犬歯が八重歯になりやすいのはなぜ?
犬歯と八重歯が間違われやすい理由は、犬歯が八重歯になりやすいためとご紹介しましたが、ではなぜ、犬歯は八重歯になりやすいのでしょうか。
犬歯が八重歯になりやすい理由としては以下の2つの要因が考えられます。
犬歯は生えてくる時期が遅め
一つ目の理由は、犬歯が生えてくる順番です。上顎の犬歯は、前前歯やその奥の歯(小臼歯)が生え変わる、あるいは生え揃いつつある後に生えてきます。そのため、犬歯が生えてくる頃にはすでに周囲の歯が生えており、犬歯が生える場所が不足する状態となりやすいのです。その結果、生える場所がない犬歯は隣接した歯の外側に伸び、八重歯になると考えられます。
顎の大きさと歯の大きさの問題
顎が小さい場合は、歯を一列に並べるスペースを確保できません。顎が小さくても歯の大きさは変わらない場合などは、必然的に一列に並びきれなかった犬歯が前に押し出され、八重歯となります。
また、顎の大きさに問題がない場合でも歯のサイズが大きい場合は、顎が小さい場合と同様に歯が一列に並びきらないため、犬歯が重なり八重歯となるケースが多くなります。
八重歯を放置するリスクとは
見た目の問題から八重歯の治療を検討する人が多いものの、実は歯の健康を考える上でも、八重歯は治療したほうが賢明です。八重歯を治療せず、そのまま放置した場合、次のようなリスクが生じるおそれがあります。
八重歯は虫歯や歯周病になりやすい
八重歯があると、歯と歯が重なっている部分に歯ブラシが届きにくいため、歯と歯の隙間や歯と歯茎の境目には汚れがたまりやすくなります。ブラッシングでしっかり汚れを落とせないと、プラークがたまり、細菌が繁殖しやすくなるため虫歯や歯周病のリスクが高まります。
ほかの歯に負担がかかりやすい
八重歯は歯が外側に押し出された状態になっているため、上下の歯がしっかりとかみ合わなくなりがちです。かみ合わせがずれると、特定の歯に過剰な負担がかかりやすくなります。継続的に負担がかかり続ける歯は割れたり、欠けたりする可能性があり、歯の寿命を縮めるおそれがあります。また、歯だけでなく、歯を支える組織にもダメージを与え、歯周病が悪化する可能性がある点にも注意が必要です。
口内炎を招くおそれがある
犬歯が八重歯になっていると、とがった歯の先端が頬の内側や唇にあたって組織に傷をつけ、口内炎を招くケースもあります。口内炎を繰り返すと痛みから適切にブラッシングしにくくなるでしょう。口腔内の衛生状態が悪化すれば、虫歯や歯周病につながるリスクも高まります。
八重歯の治療方法

八重歯にはかわいい印象がありますが、実は歯並びの乱れである不正咬合の一つです。犬歯が八重歯になった場合、虫歯や歯周病のリスクが高まり、かみ合わせのずれによって奥歯などを損傷するおそれもあります。お口全体の健康を維持するためにも、八重歯がある場合には早めの治療がおすすめです。
八重歯は矯正治療がおすすめ
八重歯の治療法には、とがった見た目を改善する方法と歯並びを根本から改善する方法があります。
審美的な面だけを改善する場合には、重なっている歯を削り、セラミック製の白い歯をかぶせる治療法が効果的です。時間をかけず、数回の治療だけで見た目を整えられるため、比較的短期間で治療を受けやすいというメリットがあります。
しかし、セラミック治療では健康な歯を削らなければなりません。また、かみ合わせのずれを治すことはできないため、八重歯の治療を行うのであればかみ合わせも改善できる歯列矯正治療がおすすめです。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を付け、ブラケットにワイヤーを通すことで歯を徐々に動かし、歯並びを整える治療法です。八重歯のほかにも歯並びがデコボコしている箇所が見られる場合や抜歯が必要になるケースなどは、ワイヤー矯正が適しています。
装置が目立つことがデメリットですが、最近では透明や白色のブラケットも登場しており、以前に比べると目立ちやすさは軽減されています。また、装置を歯の裏側に装着する裏側矯正や目立ちやすい上の歯だけ裏側に装置を付けるハーフリンガル矯正で治療することも可能です。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は透明なマウスピース型の装置を装着し、一定期間ごとにマウスピースを交換して少しずつ歯列を押し、理想の歯並びに近づける治療法です。装置が目立ちにくいため、矯正治療中であることを周囲に気づかれにくく、取り外しが可能なため、通常どおりの食事やケアを続けられるといったメリットがあります。
一方でマウスピース矯正はすべての症例に適応できるわけではないため、八重歯の重なりが大きい場合などは、マウスピース矯正では治療できないケースがあります。また、原則として1日20~22時間以上、装置の装着が求められ、定められた装着時間を守れないと計画どおりに治療が進まないといったデメリットもあります。
まとめ
八重歯と犬歯は混同されることも少なくありませんが、犬歯は歯の名称であり、八重歯は歯が重なっている状態を指す言葉である点に違いがあります。
笑ったときに重なった歯が見えることで、見た目のコンプレックスにつながる場合もあり、八重歯の治療を検討する人もいるでしょう。また、八重歯は歯が重なり合っている状態のため、汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めるといった問題もあります。さらに、かみ合わせのずれによって特定の歯に負担がかかりやすいといったリスクもあるため、八重歯がある場合には、放置をせず、適切な治療を受けることをおすすめします。
みなみもりまちN矯正歯科では、八重歯の治療にも対応しています。歯並びの状況を詳細に確認しながら患者様のお口に合った矯正治療の方法をご提案しますので、八重歯が気になる場合にはお気軽にご相談ください。







