1. 口ゴボとは何か?
口ゴボという言葉は SNSから発生した言葉なので厳密な定義ないですが唇を閉じた時に口元がモコっと盛り上がった状態のことを指すようです。口元の美しさやバランスを損ない、自信を失わせる原因となることがあります。

2. 口ゴボの原因とは?
口ゴボの原因には、歯並びの乱れや噛み合わせの問題、口唇や口蓋の筋肉のバランスの乱れなどが挙げられます。これらの要因が組み合わさることで口ゴボが生じることがあります。

3.口ゴボの分類
当院に口ゴボを気にされて来院された方を大きく分類すると
①上顎前歯が前方に位置している方
②上下顎前歯が前方に位置している方
③骨格的な不正を伴っている方
以上の3つに分類されます。
以下の項目でそれぞれの治療方法を解説します。

4.①上顎前歯が前方に位置している方の治療方法

 

上の画像のようにオーバージェット(前歯の前後差)が大きい場合、前歯だけでなく犬歯、臼歯の関係が標準より大きくズレていることがあります。(※同じ色のマークが一致する噛み合わせが標準的な噛み合わせ。)

この場合前歯と犬歯を後方に移動するスペースを確保するため上顎の小臼歯(前から4番目もしくは5番目の歯)を抜去する必要があります。

 

治療終了後は犬歯は標準的な位置でかみ合っています、臼歯は上顎のみ抜歯しているため、標準的な関係ではありませんがしっかりかみ合っています(臼歯のマークは点線のマークと一致しⅡ級フィニッシュと呼ばれる正常咬合の一つです)。

 

上顎口唇が下がり口元も大きな変化がみられます。

5.②上下顎前歯が前方に位置している方の治療方法

 

上の画像のようにオーバージェット(前歯の前後差)が小さく、犬歯、臼歯の関係が標準に一致しているかズレがわずかで上下顎前歯が前方に位置してくことで口元が出てしまうことががあります。
この場合上下顎前歯を後方に移動するスペースを確保するため上下顎の小臼歯(前から4番目もしくは5番目の歯)を抜去する必要があります。

 

治療終了後大臼歯、犬歯は標準的な位置でかみ合いしっかりかみ合い口もとの突出感は改善されています。

 

上下口唇が下がり口元が大きく変化がみられます。

6.③骨格的な不正を伴っている方の治療方法

 

上の画像の方のように骨格的な不正(受け口)があるが、顎の先が小さくに口ゴボに見えてしまうということがあります。骨格的に受け口な方は上顎前歯が前方に傾斜し、下顎前歯は後方に傾斜する傾向があります。口ゴボに見えるからと上下顎小臼歯を抜去し前歯を後方に移動させると骨格の不正が明らかになり、受け口っぽい横顔になるだけでなく、下顎前歯が著しく後方に傾斜し歯磨きがしづらくなったり、歯石がつきやすくなったりという悪影響がでます。
骨格に不正がある(顎変形症の)方は外科手術を併用した矯正治療を提案させていただきます。

 

術前矯正中、ガタガタをとりつつ骨格に対し適正な角度に歯を配列するため抜歯が必要な場合があります。その際骨格的な不正が明確になり完全に受け口になります。手術後、安定したかみ合わせを得るためなので不安を感じすぎないようにしてください。

 

手術後は緊密な咬合関係が得られます。

側貌も手術直前は受け口が強くなってしまいますが、手術後は下顎自体が後退し改善が見られます。

以上のように口ゴボの治療に対して抜歯の治療が効果的です。
ただ全ての矯正患者さんにとって抜歯が必要というわけではありません。
今後、どのような方に抜歯治療、非抜歯治療が適しているかについてを説明しようかと思います。
みなみもりまちN矯正歯科