顎変形症の外科矯正治療とは

顔の骨格に問題がある場合、矯正歯科治療だけでは解決できないことがあります。
あごの骨の手術を併用して、上下のかみ合わせと口腔機能の改善を行う治療です。
外科矯正が適応される症状
- 重度の不正咬合
歯が正しくかみ合わない状態で、食事や発音に問題が生じており、矯正治療のみでは改善が難しい場合に外科矯正が必要とされています - 顔の非対称
上顎と下顎の大きさや形状が異なり、顔全体のバランスが歪んでいる受け口などの疾患が該当します - 噛むときの痛み
正常に噛むことができず、痛みを感じることがあり、日常生活に支障をきたす悩みを抱えている場合 - 口の開閉が困難
顎の関節の問題や筋肉の問題により口を開け閉めするのが困難となることがあります
外科的矯正治療の具体的な流れと医療機関の連携体制
矯正歯科と口腔外科の役割分担
顎変形症の外科矯正治療は、矯正歯科と口腔外科が緊密に連携する「チーム医療」です。大阪市内の矯正歯科クリニックと大学病院等の口腔外科が、それぞれの専門性を活かして治療を進めます。この連携体制により、骨格から顔貌全体を改善する高度な治療が可能になります。
初診から精密検査までの流れ
治療の第一歩は、矯正歯科での初診カウンセリングです。患者様の主訴や現在の状態を詳しく聞き取り、レントゲンやCT撮影などの精密検査を行います。この段階で、外科矯正が必要かどうかの診断が下されます。
診断後、矯正歯科の医師は詳細な診断資料(セファロレントゲン、顔貌写真、歯列矯正のための模型など)を作成し、大学病院等の口腔外科医と情報を共有します。両医師が術後の最終的なかみ合わせと顔貌のゴールを事前に綿密に打ち合わせることが、治療成功の鍵となります。
術前矯正から手術へ
矯正歯科での術前矯正が本格的に始まります。この段階では、上下顎の骨を移動させた後に正しくかみ合うよう、歯列を事前に配置することが目的です。矯正装置を用いて数ヶ月から1年程度かけて歯を動かし、手術後の理想的なポジションに向けて準備を行います。
術前矯正が完了すると、矯正歯科から口腔外科へ正式に患者様を紹介します。この時点で、手術用の特殊なフックやワイヤーが装着された状態で病院に引き継がれます。口腔外科では全身麻酔下で上下顎の骨を適切な位置に移動させ、顔貌と咬合の根本的な改善を行います。
入院中の管理と顎間固定
手術後、患者様は約2週間の入院期間を病院で過ごします。この期間は口腔外科が主に管理を行い、創部の治癒経過をチェックします。
多くの場合、手術直後には「顎間固定」という、上下の歯を固定する処置が行われます。これにより口が開きにくくなるため、栄養管理や口腔衛生の対応も院内で行われます。患者様の不安や疑問への案内・説明も、医療スタッフが丁寧に行います。
術後矯正と開口訓練
退院後、患者様は再び矯正歯科に通院します。術後矯正では、手術後の新しい顎の位置に合わせて、歯並びと咬合の最終的な微調整を行います。矯正装置を継続して使用し、より精密な咬合関係を作り上げます。
同時に、口腔外科では開口訓練が進められます。顎間固定により動かしづらくなった顎の関節と筋肉の機能を回復させるため、計画的なリハビリが実施されます。矯正歯科と口腔外科は、患者様の回復状況について常に情報交換を行い、治療内容の調整を行います。
保定期間と長期管理
術後矯正が完了した後は、保定期間に入ります。この段階では矯正装置を外し、保定装置を装着して治療成果を維持します。矯正歯科での定期的な経過観察により、咬合の安定性と顔貌の変化を継続的にチェックします。
顎変形症の治療は、単一の施設で完結するのではなく、複数の医療機関が一つのチームとなって行われる医療です。大阪市内でも、こうした連携体制を整えている矯正歯科と大学病院は多く存在します。患者様にとって最適な治療を受けるためには、この「チーム医療」の質が極めて重要です。
顎変形症と矯正治療の違い

口元だけでなく顔全体のバランス、骨格まで整える治療が顎変形症治療です。
矯正歯科治療のみでは骨格のバランスは変わりません。
あくまでも歯並びを矯正し、かみ合わせを改善する方法です。
一方、外科矯正の場合は骨格から手術で根本的に治療するため、フェイスラインや顔全体のバランスの改善が期待されます。
顎変形症の外科矯正手術
手術は全身麻酔下で行われ、顎の骨を適切な位置に移動するために切開することがあります。手術後は矯正装置を使用して新しい顎の位置を安定させ、歯並びを最終調整します。
歯並びやかみ合わせの治療を目的としていますが、患者様の顔全体のバランスを見てフェイスラインも綺麗になるよう治療を行っております。ご相談やご予約については、当院までお気軽にお問い合わせください。
外科矯正のリスクについて
手術のリスク
全身麻酔を伴う手術には常にリスクが伴います。出血、感染、痛み、腫れなどの一般的な手術リスクが含まれます。
ダウンタイム
手術後の回復は時間を要し、一時的に日常生活や仕事に影響を及ぼす可能性があります。
個人差はありますが退院後2週間から1ヵ月程度でお仕事に復帰されます。腫れが全て引き、完全な状態になるまでは数か月~1年程かかることがあります。
感覚の変化
顎の手術は一時的、または永続的な感覚の変化を引き起こす可能性があります。
症例
BEFORE







AFTER







| 主訴 | ガタガタ、下顎がでている |
|---|---|
| 治療装置 | 上顎 唇側矯正装置 下顎 唇型矯正装置 |
| 抜歯 | 2本 |
| 治療期間 | 術前矯正:11ヶ月 外科手術:約2週間入院 術後矯正:1年0ヶ月 |
| 料金 | 顎変形症のため、保険適応(自費負担額3割+入院費用) |
| 矯正治療のリスク・デメリットについてはこちらをご参照ください。 | |







